[2013~2014년]作家イ・ジョンヨン①‥比喩と洞察力で創り出したエネルギーの変調
신창세기(Re-Genesis)‥作家特有の柔軟で大胆な筆のタッチで描かれている
[▲ Re-Genesis]
◇材料の拡大
洋家イ·ジョンヨンの作品の大きな特徴は材料の構成にある。彼女は大枠にしっかり張った麻布キャンバスに絵を描く。漆の木の皮を剥がして採取した樹液をキャンバス画に下塗りをする。漆の樹液をキャンバス画に塗り重ねると、ほのかに染み出る赤黒いツヤは麻布と一体になってナチュラルに発色する。漆塗りの技法は元々家具や器、木の彫刻などに使われてきた。その採取した漆の樹液と篩(ふるい)にかけた細かい黄土にもち米の粉を混ぜてブラシを使わず、手で塗ってからその上に多彩な色を施す。そして黒くて濃い色を出す木炭粉を取り入れたり、鍾乳石の粉や骨粉、火山灰、貝の粉を使って白色または灰色を、鉄や銅粉を使って赤色を出したりもする。キャンバス画に漆塗りの粉をかけたり、金や卵の殻、アワビの貝の真珠質の部分を貼ることもある。
彼女(Artist RHEE JEONG YOEN)が使うこれらの材料は一般的な美術の素材ではない。キャンバス画に漆を積極的に採用したのはイ・ジョンヨンさんに鋭い先見の明があったと言える。自然から採取した材料を積極的に取り入れる彼女は洗練されたトーンと時間の流れを物語ってくれる材料から韓国独特の味をキャッチし、インスピレーションを得たという。皮を剥がされた木の苦痛と長時間熱と空気にさらされて変身を遂げた木炭と火山灰などから、その与えられた生に耐えて生き抜いて行く私たちの生きる姿を坦間見ることができる。
非常にユニークなこれらの材料は主に大地の多様な地層からできたものであったり、土壌に根を張って長い間育まれてきたものが多い。大地に水、火、風、空気、時間が溶け込み合って生まれた生命からとった漆の木の樹液、木炭、貝の粉、鍾乳石の粉、火山灰、骨粉などを幾重にも画面に重ねることでまるで大地をそのまま移し置いたごとく、また強固な物質の堆積と時間の蓄積をそのまま画面に移し置いたようにみえる。土壌を耕し、良いものを与えて肥沃な土壌にするように彼女は麻布キャンバスの上に水をまき、肥料を与える。そしてその肥沃な画面は命を授かり、生き生きとしたイメージを物語るようになる。
△生命の成長
命を授かり、この世に生まれてくる全ての生命体への愛情を表現し、物質間の有機的な関係にフォーカスをあてる視点で見ると、彼女の作品は新しい環境アートとも言えるだろう。それは自然の生態を理解し、大自然の中で生を受ける事物の存在と変化を積極的に取り入れるのをみると分かる。また、人工的な材料と方法を採用しないのも特徴と言える。画面は自然の縮小版になり、命を授かった有機体へと変わる。つまり、彼女は画面に自分の分身ともいえる生命体を作り出すのである。
その最も代表的なものと言えるのが「竹」である。竹は自分を空にする、控え目に振る舞う人の姿を連想させる。中身が空洞であるため中の温度が高く、音の伝達性にも優れ、真っ直ぐに伸びることができる。地中に長時間耐えた竹こそ、地上に出ると伸びる速度も違ってくる。中が空洞だからこそ、人の声に耳を傾け、コミュニケーション上手で、気配りのようなマナーと良くなる。節を少しずつ変えながら描く彼女の画面の中の竹はそのような世の中の理をあらわしている。その他に円形、三角形、四角形などの図形とキリスト教の代表的なアイコンといえる魚と十字架も用いられるが、これらはすべて特別な物語が潜んでいる。
すべての具体的な対象は再現の側面により、比喩かつ含みを持たす形になっている。象徴を重ね着した要らは観客各々に合わせて読めるテキストを用意している。作品を構成する材料と技法において実験的かつ挑戦的な彼女はすべてのモチーフに意味を持たせることで、見えない力と影響をとらえようと努めた。隠されていたり、ひっそり作動するそれらは作家特有の柔軟で大胆な筆のタッチで描かれている。
△シン・フィヨン/美術史家、誠信女子大学 西洋画科
## 이코노믹 리뷰 / Life&People / 문화 / 권동철 (미술 컬럼니스트) / 04.18.2017 ##