[2013~2014년]作家イ・ジョンヨン②‥表現的でありながらも統制され、シンプルでありながらも強烈である
신창세기(Re-Genesis)‥強力なエネルギーを持つ筆のタッチから始まる
[▲ Re-Genesis] ◇絵画の形式的系譜と特徴
洋家イ·ジョンヨンは大学で東洋画を専攻し、その後アメリカ留学、洋画と版画を学ぶ。初期の作品を見ると墨のボリューム感と濃淡が自在で、力強い筆のタッチも見える。また、余白さえもそのようなエネルギーを内包しているくらい、重みのある強さが感じられる。その後、洋画の媒体を取り入れた作品においては多様な線と色が画面を埋め尽くし、まるで視覚的要素がせめぎ合うように集約されている。
上記のような形式を超現実主義に分けることもできるが、それよりはアメリカの代表的なモダニズムの抽象表現主義により近いといえよう。超現実主義を連想させる非定型のイメージも見え、流動的な線の動きは多層的なメッセージを暗示するように見えるが、抽象表現主義のアクションペインティング(Action Painting)のように、大きな画面に見える大胆な筆のタッチと活力にあふれ、全体を埋め尽くす構成と強烈なカラーは律動的なエネルギーを感じさせる。ニューヨークでの留学時代、油絵の技法をはじめ、リトグラフ、モノプリント、アクリル画などへと、媒体を拡大し、墨、壮紙、麻袋、韓紙など様々な材料の混合で西洋と東洋の表現の共存を目指した。彼女の作品の形式において様々な媒体はもちろん、それを上回る多様な実験性を看過してはならない。
△柔軟な実験性とその成果物
彼女は東洋の伝統的な筆法を上手に駆使する。書体的な筆のタッチ、曲線をはらんだ直線のような包括的かつ多層的な線の饗宴はもちろん、濃淡の自在な変調にも優れている。このような才能が画面に花咲いたのは留学時代の作品であった。
アメリカから帰ってきた彼女は90年代半ば以降、<希望(hope)>、<出会い>など連作を主題にし、作品の内容に少しずつ変化を見せ始める。形式は抽象であるが、せめぎ合うようなイメージが少なくなり、シンプルに定着していくことが分かる。大地の色が画面に下塗られるが、線は大胆かつ流動的に、色と形態は多少可変・混合的でありながら曖昧な形を見せるようになる。その後、<リ・ジェネシス(Re-genesis)>の連作で余分の線と色は最小限に抑えられ、主題を目指す集中力が目立つようになった。
2000年頃、彼女は新しく興味深い素材に挑む。それはアワビの貝の真珠質の部分であった。丸い円形の貝殻と平らな板状の貝殻を用いていた彼女はその素材が画面にも新しい活気を与えてくれると信じていたのである。貝殻の明るいマルチトーンの色彩と硬い質感は大地のような画面に命を与え、それを視覚化した。荒い筆のタッチと触覚的な質感、整った形態と非定型の線、東洋と西洋の媒体と技法を横断するような彼女の混合構成は境界の意味を無効にしてしまう。
水墨が持つ強い力、書道における一筆揮之の伝統、水墨画の濃淡の差、欧米の抽象画の純粋性を基にする彼女の作品は表現的でありながらも統制され、シンプルでありながらも強烈である。
洋家イ·ジョンヨン(Artist RHEE JEONG YOEN)の作品は強力なエネルギーを持つ筆のタッチから始まる。そのエネルギーは空間を支配し、線と色に命を与えるが、衝突し合ったり、矛盾をもはらんでいた。しかし、多様な媒体と技法を培った時間があっただけに、彼女の視線と力量は作品を徐々に無秩序から秩序へ、混合から統合へ、衝突から調和へと変えていく。境界を横断する作品の中で私たちはその変化の旅程を見つけ出すことができる。
トランスフォーム(trans-form)、トランスコンテンツ(trans-contents)、トランスディメンション(trans-dimension)、トランスクォーリティ(trans-quality)。これがまさに彼女の作品の系譜といえよう。混在していた内容と要素が少しずつ整頓され、自分の居場所に落ち着かせることで画面はより凝縮され、明瞭になり、彼女の経験の世界を統合して行く。
△シン・フィヨン/美術史家、誠信女子大学 西洋画科
## 이코노믹 리뷰 / Life&People / 문화 / 권동철 (미술 컬럼니스트) / 04.18.2017 ##