[2008~2013년]洋家 イ·ジョンヨン②‥生かすことができる材料
Artist RHEE JEONG YOEN‥신창세기(Re-Genesis)
彼女が麻布をキャンバスの代わりに使うのは反物の持つ粗目の絲が表現のイメ-ジとしての役割をするからだ.畵板の上にはった麻布に何もしなく,ただその上に漆を塗るだけで,他の彩色材料は一切使わない.それだけで麻布は他の材料と同じく表現のイメ,ジとしての役割を十分に果たす.もちろん漆塗りの乾漆技法を採用するため,何も塗らないピュアな反物の狀態ではない.
彼女が作業に用いる材料は漆塗りをはじめ,螺鈿(らでん),土?炭粉,金,卵の殼,アヒルの卵の殼などがある?これらの材料は作品の保存を考えて選んだ天然のものである.これは工業的な彩色のための繪具の使用有無は長期間保存の可否という信賴性の問題にかかわるためである.一方,漆塗りは地層で發掘した漆器を見ると,數千年が經っても變わらない半永久的な材料であることが分かる.それに,漆塗りは時間が經てば經つほどその色に深みが增し,神秘的な味を釀し出す.一般の工業生産のものとは違う深みのある色合いを形成する.
そのような物性を持つ漆塗りを基本材料に使う彼女の作業は一般の工業生産の繪具を使った作業とは確實に異なる.傳統的な彩色畵や油彩畵とはまったく異なる視覺的イメ-ジを見せてくれる.これは材料の特性による新しい造形的演出の結果と言える.傳統的な螺鈿漆器に使われるアワビの貝の眞珠質の部分,土,炭粉,金といった材料を用いる彼女の作業は素朴かつ純粹で,土の香りと力が傳わってくる.
これらの材料はそれぞれ固有の色を持っている.原色的な華やかさはなくても繪具の代わりに十分に使える良い表現材料なのだ.何より氣候や濕氣など外部の環境條件に敏感でないため,保存性に優れる.それに,表現の純粹性において造形的理念に適している.つかり,‘新創世記’というタイトルを十分に滿足させ得る原初的な純粹性を生かすことができる材料と言えるだろう.
彼女は具體的な形態の描寫は重んじない.もちろん,漏斗やコヒ-ポット,竹の切れ端,大魁(テグム),椅子,木,山に似た形象はある.また蓮の花や蓮の葉,魚,お日樣とお月樣,星を連想させる丸い形のイメ?ジもある.しかし,これらの形象に完璧なものはない.どこか凹んだり,缺けたり,未完成に見える形で表現されている.描寫の完成度から見られる洗練さに缺けているとも言えよう.
それに,これらイメ-ジの構成と配置に規則性が見つからないのも特徵と言える.自由であると言えるより,放置されたような勝手氣細な感じがする.意圖的に計算された構成方法とはひと味違う趣きがある.イメ,ジの形や大きさ,配列方法からは造形的な方式が分からない.人に飼い慣らされていない野生のように新鮮だ.これは直感による表現をベ-スにしたためかも知れない.禪とヨガと瞑想などを長い間體驗することで,物事への直觀力を身につけたのだろうか.
[▲ Re-Genesis] 彼女の作業で見られる形象はイメ-ジの現われかも知れない.しかし,その心象は定型化されたイメ?ジで,彼女の內面にあるものとは言えない.材料の持つ物理的特性と表現力を最高に引き出せる表現方法は作業するその瞬間に生じる意識の流れと感情によって導かれた形象と言えよう.彼女が追求する形象はナチュラルさとは異なる.敎育で飼い慣らされた美的センスではなく,自然の純粹な意識と感受性の成果物である.
彼女が信じるのは世界のすべての物象は唯一,造物主の思うがままにできたという考え方である.これは彼女の宗敎的信念でもあるが,物象の不可思議な形をみると言葉だけでは表現できない神秘に滿ちた世界に思えてならない.自然界を形成する形象はすべて必要性によってできた完璧な創造物のみ存在する?これは全知全能な造物主により創造されたという裏付けでもある.
このような自然觀や宗敎觀は彼女に目指すべき道を明確に敎えてくれた.まず,材料として自然のものを用いることで造物主の創造性に應える?それから,禪とヨガと瞑想の體驗で身につけた直觀力を作業に應用する.そして,感情と意識の流れがスム,ズな造形的思考力を引き出す.彼女の作品に見られる形象から感じられる純粹性と力はそこから湧き出るものかも知れない.
△シン·ハンソプ / 美術評論家
◆화가 이정연(李貞演, RHEE JEONG YOEN)
서울대학교 미술대학 졸업 (동양화전공). 서울대학교 대학원 수료. Pratt 대학원 졸업(서양화, 판화전공). 콜럼비아 사범대학 박사과정 수료(미술교육 전공). △개인전 38회=Steinberg Museum of Art at Hillwood(뉴욕), Palazzo Tagliaferro Museum(이탈리아), 우에노 모리미술관(上野の森美術館, 도쿄) 등. 이정연 작가는 현재, SADI 기초학과 정교수로 미국 KIPS 갤러리 전속작가이다.
## 이코노믹 리뷰 / Life&People / 문화 / 권동철 (미술 컬럼니스트) / 04.16.2017 ##